2017.05.31 コラム

個人と集団の意思決定能力を進化させ、メタ共同体時代をつくる新しい教育

人生は、選択と放棄の連続による行動の蓄積で成り立っています。

正しい行動をするためには、何を選択し、何を放棄するかという意思決定の達人になることが、最も重要といえます。

意思決定能力を進化させるためには、まず、人間の意思決定がどのような仕組みで成り立っているのかを、深く洞察する必要があります。

 

意思決定には、「個人の意思決定」と「集団(組織)の意思決定」があります。

社会集団の中で、皆がバラバラな観点や判断基準を持ち、各々が好き勝手に意思決定して行動していては、世の中は無秩序になって成り立ちません。

歴史をみると、その無秩序を解決するために、絶対王政時代では、王の判断基準に従わない者は家族、親族ともども皆殺しにされるなど、暴力によって支配秩序を維持していました。
その後、イギリス産業革命やフランス市民革命など革命期を経て、財力や法律によって秩序を維持する社会構造へと変化しました。

今の資本主義社会では、見かけ上の暴力は減ったものの、法律や財力、権力による支配秩序を土台に成り立っています。

そして人間は誰もが生まれた時から、既に出来上がっている集団の価値基準や常識、ルールに従って意思決定し、行動することを要求されるので、無意識にストレスやプレッシャーを受け、あきらめや挫折、無力感、絶望感を蓄積しているのです。

 

このように、人間一人ひとりの最も中心にあるのは、個人の意思決定ではなく集団の意思決定です。

個人は常に集団の意思決定に左右されてしまうので、人類が最も進化させなければならないのは、実は集団(組織)の意思決定能力なのです。

もちろん、個人の意思決定能力を進化させる必要もあります。特に今の時代はAIが登場し、時代と共にあらゆる分野にAIやIoTが浸透して行くことが確実視されています。天文学的な量のビッグデータをベースにした超高速の演算処理やディープラーニング(深層学習)が急速に進化していく中で、記憶量や分析の広さ、深さ、精密さ、そして判断の速さ、精密さ、正確さなどすべてにおいて、人間の知能、人間の意思決定能力を遥かに超えていくAIの進化は、今後、留まることはありません。

そのようなAIの意思決定に人間がコントロールされず、AIがもたらすメリットの面をしっかりと安心して享受し、最大限活用しながら理想的な共存を可能にするためにも、一人ひとり個人の意思決定能力を本質深くからバージョンアップさせて、集団の意思決定能力を飛躍的に高める必要があります。

 

これからは、今までのように五感覚の脳の認識基礎能力で思考し、論理展開を行っているレベルでは、時代の変化に対応できなくなるのは明らかです。

膨大で複雑になっていく情報知識を整理整頓できなければ、何をどのように判断すれば良いのかわからず、パニックに陥って意思決定できなくなったり、AIに依存し、コントロールされてしまうという深刻な危機があるからです。

そのような危機を解決するためには、大量で複雑な情報知識をオールゼロ化してシンプルに整理整頓し、無から有、1から2が生まれる宇宙の仕組みを活用、応用する能力を持って、真実の基準軸から全体を俯瞰した情報知識の整理整頓、活用、判断、意思決定ができるようになることがとても大切です。

そうなるために、生きる中心主体「I am」そのものが変わる基準点革命が必要です。
それは、体の自分ではなく、無限に開かれた心の自分、オリジナルマインドのアイデンティティになって、自由な心、平和な心、愛の心になって意思決定することであり、
映像(立体)スクリーンである錯覚現実を自ら自由自在に編集・デザインし、今ここ「自分と自分の宇宙」を再創造していく新しい生き方革命を起こしていくことです。

しかし、既存の学術教育だけを学んでいる状態では、観点の問題を認識できないため、基準点革命は不可能です。

 

これからは、人間そのものが変わる時代です。

服や家や車など自分の外の変化(環境の変化)ではなく、自分の中身(認識)が変化し、どんな観点からも、因果からも自由になって、決めつけることができない無限のアイデンティティに変わることで、意思決定を進化させることができるようになるのです。

NRグループは、個人と集団の両方の意思決定能力を進化させる認識技術「観術」の教育の普及を通して、今までの資本主義と個人主義の限界を補う、新しい「メタ共同体主義」の時代を切り拓くチャレンジをしています。

Noh Jesu