2019.11.20 令和哲学シリーズ

【令和哲学33】韓国の『反日種族主義』を通してみたこの時代の課題①<シャーマニズム的種族主義の限界>

元ソウル大学教授の李栄薫(イ・ヨンフン)著書『反日種族主義』の日本語版が、日本国内で発売されるや否や、いきなりトップに躍り出て爆発的ブームになっています。発売数日で、すでに品切れ店も出ているそうですが、韓国人にとってはあまりにショッキングな内容にも拘わらず、韓国内でも発売2ヶ月で10万部が売れるという異例のベストセラーになりました。

この現象が起きる背景にあるのは、やはり「史上最悪の日韓関係」でしょう。

両政府の摩擦衝突は極限に達しており、「外交断絶」という単語もでる始末です。ここまで関係が悪化した要因は、ムン・ジェイン(文在寅)左派政権が韓国の政治権力を握ったことによります。左派政権になって以降、彼はあらゆるジャンルで緻密な準備を重ねてきました。左翼勢力の教育界、マスコミ、司法、文化、芸術、映画など、左翼組織が一丸となって「北朝鮮との連邦統一」に向かって思いきり走り、意図的に反日感情を煽って強化した結果でもあるのです。

従軍慰安婦問題をきっかけとして、徴用工問題が起爆剤になったのですが、ムン・ジェイン政権の露骨的な左派路線に対し日本の安倍政権は、「日本から韓国に輸出している半導体製造の重要な材料が、毒ガスや化学兵器など北朝鮮の軍事政策に転用される懸念がある」とし、その品目の輸出規制強化を行うため、韓国をホワイト国(優遇対象国)から除外しました。ムン・ジェイン左派政権は、このことを反日感情扇動の最高の道具として利用して日本製品不買運動を展開し、日本への旅行も自粛ムードで訪日観光客も激減、さらにはGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を破棄するようにまでなりました。

GSOMIAについての韓国側(ムン・ジェイン左派政権)の主張は、「日本が韓国側の安保同盟を疑い、韓国に対して輸出優遇措置をなくそうとした。安保同盟自体を不信し、疑うのであれば、軍事情報の共有はいらない。だから我々はGSOMIAを破棄する」とし、韓国の多くの国民はこの論理に納得しています。

アメリカは日本、韓国それぞれとGSOMIAを締結しているため、日米、米韓の2国間同盟に留まらず、3カ国の連携を可能にしていました。アメリカの太平洋戦略からみれば、この安保同盟は重要であるため、韓国側の態度にアメリカ側は困惑し、GSOMIA維持を強く要求しました。また、GSOMIA破棄は、北朝鮮や中国が前々から韓国に要求していたことであるため、アメリカ側からみれば、同盟を裏切る行為でもあります。

韓国側は、「日本が韓国の安保同盟を疑っていては軍事情報を共有できない」という論理から、「日本のホワイト国(輸出優遇対象国)除外を撤回するようアメリカから説得して元に戻してほしい」とアメリカに要求しました

しかしアメリカはこれに対し、日本と韓国で解決するように、と仲裁を断ります。こうなれば、ムン・ジェイン左派政権はGSOMIA破棄を決定するしかありません。ですから韓国は今後、中国や北朝鮮のような政策路線に大きく舵を取る可能性が高いでしょう。

今のムン・ジェイン左派政権のポジションでは、日本に対して「屈服した」とは到底、言えません。それは、ムン・ジェイン自身の政治生命危機と、左派の政権喪失の危機に直結するからです。むしろ存分に中国や北朝鮮側に路線チェンジし「民族主義路線」を貫くことで、政治生命危機が回避され、左派政権の延長が可能になるとみています。

しかしムン・ジェイン政権が鮮明に左派路線を選択すれば、それをきっかけに、韓国の自由右派が猛反発することは明々白々です。

こんな時代状況の中で、『反日種族主義』の著者、李栄薫(イ・ヨンフン)教授は、次のように訴えています。今まで韓国が教育してきた反日歴史教育は、シャーマニズム的民族種族主義のような旧い時代の遺物である。この反日種族主義をゼロ化させない限りは、韓国の未来はない。あらゆるジャンルにおいて韓国は嘘ばかりである。嘘ばかりの国民、嘘ばかりの政治、嘘ばかりの学問、嘘ばかりの裁判、嘘ばかりの歴史。これらの嘘を、まるで事実のように受け取っている。このような「嘘の国」になっても大丈夫にさせている根源は『反日種族主義』という信仰が原因である、と。

この反日種族主義を土台にした韓国の歴史歪曲に対して日本は長い間、心を痛めてきました。日本の立場からの主義主張をすることよりは、植民地時代の日本に問題があったことを謝罪しながら和解を優先する路線をとってきたのがこれまでの日本です。このことから韓国の歴史歪曲に対して、日本は修正要請を思う存分できなかったのです。

そんな中、元ソウル大の経済学教授が「反日歴史歪曲が問題である」と、事実データに基づくしっかりとした研究で論じ、「韓国の主義主張が嘘ばかりだった」と、命がけで人生をかけた勇気ある暴露をしたことは、多くの日本人にとって喜ばしいことでしょうから、今の爆発的なヒットにつながっているのだと思います。

李栄薫教授は、民族主義左翼政権による「民族主義路線」だと言わずに、「種族主義路線」の概念を用いて韓国の在り方全体を否定しています。どういうことかというと、民族主義と種族主義の定義を以下のように規定しているのです。民族主義は、独立、自立、自律ができている個人のベースがあることを指しますが、種族主義は、自由な個人がない状態を指します。つまり種族主義は、全体主義のように種族や全体の雰囲気に完璧に統制されているため個人の主義主張ができないのです。このことを「シャーマニズムの種族主義」と規定しています。

1895年に、日本統治時代として近代化という大きな変化をする以前の台湾では、14の部族がありました。彼らには、異なる部族の首狩りをしないと結婚できない、という風習がありました。シャーマニズムの部族たちは、敵対部族や異種族を馬鹿にしたり、悪魔のようにみることを通して、自分の部族の正当性を強調するといった古代のシャーマニズムがあったのです。同様に、「韓国社会に蔓延する“日本を無条件で悪魔のように決めつける文化スタイル”はシャーマニズム的種族主義を土台にしている。だからこの反日種族主義を終わらせない限り韓国の未来はないし、日韓関係の未来もない」と、李教授は著書ではっきりと述べています。

このようなシャーマニズム的種族主義は、例えば政治権力における与党・野党のように、互いに対立する勢力の争いは尋常ではありません。ですから韓国では、政権交代となれば大統領をはじめとする人が、さも当たり前のように投獄されたりするのです。2つの勢力間に共通土台がなければ、激しい衝突や摩擦が生じるのは当然です。この勢力争いを解決できる真理がなければ、客観的な討論などできないのです。その点、日本ではどれだけ与党・野党が激しく戦ったとしても、天皇という互いの共通価値のシンボルがしっかりと存在しているため、韓国のような破綻が起きるほどの激しい衝突は起こらないのです。

さて、R指定作品でありながら前代未聞の大ヒットを飛ばしている映画『ジョーカー』では、現代人の精神状態と暗鬱な暗闇の社会が描かれています。個人間の共通土台は消え、不信、不安、恐怖がどこまでも深く広がり、まるで個人主義が末期ガンを迎えているような救いようのない世界。実は人間は、誰もが自分だけの映画を観て、自分だけの宇宙を持ち、自分だけのゲームをしています。ところが、普段はそうは思いません。逆に誰もが共通した現象(5感と脳を通過した結果物)をみている、と思っています。そして、意味や価値を解析する“心”の繊細さから観たときに初めて、「誰もが全く異なる時空間の中におり、重なりあった宇宙自然を持って生きている」ことがよく観えてくるのです。

つまり映画『ジョーカー』では、誰もが共通土台がゼロの状態であり、この個人主義の不信時代に突入していることを訴えているのです。共通土台ゼロの心では、不信や不安、恐怖が蔓延し、摩擦や衝突が続いてしまいます。その結果、個人は孤独感や、つながらない孤立、疎外感が募り、チームプレーも益々できなくなっていきます。さらに情報過剰社会で、情報知識が増えれば増えるほどに、相手に対しても自分に対しても厳しいジャッジをするようになるのです。

このような共通土台ゼロ状態の個人主義の限界をどうやって解決できるのでしょうか?この個人主義による複雑性や多様性の問題、格差の問題、統合の問題をどうやって突破できるのでしょうか?これらの問題は、韓国内における「共通土台ゼロのシャーマニズム的種族主義の限界」をどう解決するのかとつながった“この時代の問題”でもあります。

共通土台ゼロのクローズ社会をどうすれば、共通土台を無限大にしてオープン社会を築けるのでしょうか?

そのためには、それを起こしている原因にアプローチしてみましょう。

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https://blog.noh-jesu.com/entry/2019/08/04

まず共通土台ゼロを生み出す根本原因は、「脳の観点」であることに気づくことから始まります。

写真を撮ることをイメージしてみましょう。カメラのレンズ(の性能)による結果物として「写真」が生まれます。この写真を「目の前に広がっている世界、我々が認識している現実の立体写真」だとすれば、レンズは「この現実を成り立つようにさせているもの」であり、そのレンズに該当するものが「脳の観点」です。この脳の観点(=カメラのレンズ)が、何によってつくられ、どんな作動システムによって写真(=現実)を生み出すのかを明確に観察する技術がnTech(認識技術)です。

そのレンズ(=脳の観点)を生み出す素材は何でしょうか?

それは、源泉的な動き、オリジナルマインド(本来の心)です。それは、認識不可能、イメージ不可能、感じることも不可能であり、無境界線、無ポジション、無方向性の動きです。そして、無限大と無限大の対称性によって成り立つ世界の根源であり、宇宙の根源でもあります。この源泉的な動き「1」を明確にディファインすることです。そしてレンズ(=脳の観点)が源泉的な動きに溶け、レンズの結果物(=現実)もすべてが源泉的な動きに溶けることで、共通土台無限大になります。この「ひとつの動きだけがある世界」を立証するのがnTechの悟りです。

レンズと写真の関係、脳の観点と現実の関係は「エネルギーの物質化プロセス」の動き、そして、源泉的動きと脳の観点の関係は「心のエネルギー化プロセス」の動きです。この連続2段階の動きによって現実が成り立ちます。共通土台ゼロ状態の個人主義と、共通土台無限大の源泉的な動き、ひとつの動きだけがある世界、全ての格差をゼロ化する悟りの世界があり、共通土台ゼロと共通土台無限大が今ここの現実を成り立たせているのです。

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今ここ大自由の心で生きることは、共通土台ゼロと共通土台無限大を活用した心人間で生きることであり、脳に勝利した心人間で生きることです。そうでなければ、心が脳に負け、共通土台がゼロでクローズな状態になり、自分の思い込みに閉ざされた体人間、思い込み感覚の中で妄想ばかりの人間、錯覚の自分で生きるのです。

韓国におけるシャーマニズム的種族主義は、共通土台ゼロの問題点を鮮明に表しています。そして、これまでずっと変わらず大切にしてきた天皇中心とした日本文明は、共通土台無限大のシンボルに近いモデルだと思います。私には日韓が融合されることで共通土台ゼロと共通土台無限大を自由自在に活用し、応用できる心人間の未来新人類の時代、尊厳時代をひらくことができるという確信があります。日本が全世界に向かって「心とは何なのか」を発信し、共通土台ゼロと無限大がひとつになって、今ここを楽しめる新人類になり、75億総聖人時代の尊厳文明、すなわち基軸教育を具現化できる日本、その日韓の融合時代を切望しています。

令和の時代、今ここ源泉的な動き「1」で物事をみることができる、今ここ完全観察システムが日本による世界基軸教育の具現化に貢献できたら幸いです。

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