2017.06.30 コラム

人生の設計図を得て、主体的な生き方をするためには?

 

いま世界を見渡すと、近代革命以降の成長エンジンが完全に失速し、長期景気沈滞、株価の下落、通貨蒸発などの経済的な問題をはじめ、戦争問題、宗教的根本主義と国際テロリズムの危機、環境破壊、貧富の格差、失業率の増加、少子高齢化、共同体の崩壊、家庭の崩壊、鬱や自殺の増加など、問題は日々深刻さと複雑さを増しています。

これまで人類は幸せになるために、厳しい自然を開発・開拓し、様々な限界を突破し続けながら、多くの人々の努力によって文明を築き上げてきました。その結果である現代文明の、何が間違っていて、何が解決できていないから、ここまで行き詰っているのでしょうか?

私たち皆が幸せになるためのライフスタイルに何が欠けていて、何が新しく必要なのでしょうか?

 

一人ひとりの人生は、例えるならばひとつの映画のストーリーのようなものといえます。この世に生まれて、物心がつく頃には、宇宙自然や人間社会の歴史文明、今の時代の流れという映画のストーリーはすでに進行しています。

そこに途中から参加し、なんとかうまく登場人物の一人として生きてみようとするのですが、一体この現実がどんなストーリー、どんなゲームなのか、自分はどんな役割をすればいいのか、そもそもなぜこのストーリー、ゲームが始まっているのか、訳のわからない状態で人生を送っています。

周りの人に聞いてみても、誰も明確な答えはわかりません。ですから、人間は誰もが生きること自体が実は恐怖で、人生には常に不安、不信がつきまとい、何のために生きているのか、どこへ行くのかもわからないまま、最後は孤独に死ぬという悲しい人生になってしまうのです。

 

そのような人生を根底から転換させるための最大の本質的課題は、一度完全に、ストーリー(ゲーム)の外、現実という名の映画のスクリーンの外に出て、そこから改めて全体のストーリー(ゲーム)設計図を自らの意志でしっかりと描き、再創造することなのです。

なぜなら、既に進行しているストーリー(ゲーム)の中では、いつの間にか誰かがつくった多様な条件や状況、ルールに束縛され、因果関係から自由になれず、自らの主体的な意思決定もできない状態だからです。これでは、真実に自らの人生を生きているとは、とてもいえないでしょう。

あらゆる条件や状況、因果関係を一度ゼロベースに戻した出発点を得ること、そこから新たな自分のストーリー(ゲーム)を再創造・再設計することが、本当に人間が生きるということなのです。

そのためには、自分という存在、そして自分を存在させている今の時代や歴史文明、宇宙自然のすべての根源まで遡って、宇宙自然という壮大なストーリーの出発点、宇宙の初期設定に隠された仕組みを知る必要があります。

その根源的な仕組みを知ることで、人間は、どこから、どんな方法で、なぜ今ここに存在しているのかという「宇宙論」と、今ここからどこに向かって、どんな方法で、なぜ行かなければならないのかという「人生論」の全体像の設計図を得ることができるようになるのです。

 

認識技術「観術」の教育では、現実という映画のスクリーンの外へ出て、宇宙の初期設定を知り、自らが主人公となって現実を再創造・再設計し、主体性・自発性・創意性・尊厳性をもった新しいライフスタイルを築く道を案内しています。

Noh Jesu