2019.09.01 令和哲学シリーズ

【令和哲学22】韓国のGSOMIA破棄をきっかけに、日本の令和リーダーシップの目覚めは成功するのか?

韓国のムン・ジェイン左派政権の大統領は8月22日、国家安全保障会議を開き、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA、ジーソミア:General Security of Military Information Agreement)の破棄を決定しました。

これにより日本、アメリカ、韓国の安保同盟は相当な打撃を受け、東北アジアの勢力バランスが壊れようとしています。

中国の共産主義とアメリカの自由主義の覇権戦争が激化する中、朝鮮半島ではGSOMIAの破棄によって、南(韓国)の自由主義勢力と北(北朝鮮)の共産主義勢力のバランスが壊れようとしているのです。
北朝鮮では、核武装の完成が間近に迫っていますし、韓国では、左派政権が永久主権を得ようとする露骨な動きがあります。

もし、朝鮮半島全体が共産化されたなら、自由主義である日本は、間違いなく孤立化に向かうでしょう。
このように安保の危機が常態化する中、アメリカのトランプ政権は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、以下キム・ジョンウン)と韓国の文在寅(ムン・ジェイン、以下ムン・ジェイン)左派政権の両者を、自身の大統領選挙再選の道具に使おうとしています。

ムン・ジェイン左派政権は、『共産化による朝鮮半島統一でもOK』という極端な民族主義路線を強化しています。
そのため、日本が嫌がる政策ばかりを取り、反日政策を露骨に打ち出しているのです。

その政策をとることで、日本国内における嫌韓論を誘発して、韓国の共産化に対して介入の心が生まれないようにしているのです。

このように、ムン・ジェイン左派政権の政策は、韓国に対する嫌韓論に留まらず、そもそも無関心にさせようとするもので、この路線の成果は上々です。

アメリカに対しても日本同様に嫌韓心を煽り、さらに無関心にさせるための延長線上としてGSOMIAの破棄をしました。
あれほどアメリカが「破棄しないように」とサインをだしてアピールしていたのにも関わらず、破棄を決めたことは、アメリカ内の嫌韓論と無関心を誘導するためであることは明らかです。

この韓国の左派政権の策略の結果、日本とアメリカが朝鮮半島に対して無関心になったとき、韓国の自由主義勢力は左派勢力に完璧に潰され、第2のベトナムになるというシミュレーションも充分にあり得ます。

ムン・ジェイン左派政権は、どんな価値よりも『朝鮮民族の統一』を優先したいのです。
この民族統一は、自由主義だろうが、民主主義だろうが、社会主義だろうが、共産主義だろうが、これらのどんな価値より優先したいことであり、その感情、精神、思想をもっています。

この民族主義は、韓国の保守右翼である自由主義勢力を、反民族主義、親日主義、親米主義とみなし、「民族の裏切り者」と決めつけています。
また、「朝鮮民族を分断し、さらに朝鮮統一の邪魔をしているのが日本でありアメリカである」と、教育を通して若者を洗脳しています。

この民族主義左傾化教育を大衆にアピールした結果、朴槿恵(パク・クネ、以下パク・クネ)大統領が弾劾され、逮捕、収監に至ったことは、民族主義左傾化教育の成功例のひとつに挙げられます。

今回の令和哲学シリーズ22では、「韓国のGSOMIA破棄をきっかけに日本の令和リーダーシップの目覚めは成功するのか?」について語りたいと思います。

防衛的な思想哲学をもつ自由主義勢力である日本やアメリカは、韓国の左派政権が政治権力を握ろうとする動きを、ただ傍観するしかない状態です。

一方、共産主義は、攻撃的な思想をもって民族主義や民主主義という名を上手に使い、攻めています。
そのため、韓国の自由主義勢力は、民族主義や民主主義を隠れ蓑にした共産主義勢力の攻めに、続手無策でただやられるままになっています。

すでに今の韓国は、80%が民族主義左傾化教育に影響を受けており、残り20%ほどが頑張って自由主義を守っている、と私はみています。

自由主義の中では、パク・クネ前大統領勢力と李明博(イ・ミョンバク)前大統領勢力が、左翼勢力と闘う以上に、互いに強い敵対意識を露わにして自由主義勢力同士で争いました。
その結果、保守右派勢力は分裂し、左派勢力が権力を握ることを許したのです。

日本とアメリカは、今回のGSOMIA破棄をきっかけに、ムン・ジェイン左派政権の意図を明確に知るところになったと思います。

GSOMIA協定破棄は、アメリカが最も嫌がる行為です。
これはまるで、ピストルを背後から撃つような寝首をかく卑怯な行為であり、このムン・ジェイン左派政権の反米路線の露骨的な行為に対し、アメリカはどれくらい我慢ができるのでしょうか。

また、北朝鮮のキム・ジョンウンも核を放棄する意志など全くなかったことが明らかになったと思います。

ムン・ジェインとキム・ジョンウンの左派お得意の戦略に、「これ以上騙されない」となれば、韓国左派政権の没落は時間の問題です。

ムン・ジェインはこれまで、「北朝鮮は核放棄を決断した」とアピールし、世界が北朝鮮を信頼するよう懸命に仕向けましたが、これがどれほど虚言であったかは、時間が証明するでしょう。

北朝鮮の意図はこうです。
「北朝鮮は核放棄ではなく、“朝鮮半島全体の非核化を決断した”と主張した。もし北朝鮮に核爆弾が着弾する恐れがあるアメリカ・グアム基地の核ミサイルを無くさないのならば、北朝鮮も核を無くすことはない」と。

キム・ジョンウンとムン・ジェインの2人の理想は、「核を保有したまま朝鮮民族を統一し、統一経済にすること」です。
これを実現させるための裏のアイデアは、「戦争することなく、アメリカ本土が危険から回避されたのだ」と、アメリカを説得することです。

つまり、アメリカに着弾する長距離ミサイルだけを無くすことによって、アメリカ本土の危険を回避し、それによって北朝鮮の経済封鎖の解除を要求することなのです。

強盛大国化と民族統一に成功し、中国、ロシア、アメリカ、日本の四大強国から独立して自由路線を歩むことが朝鮮半島の理想の統一国家である、とキム・ジョンウンとムン・ジェインは奮闘しています。

ですがその渦中で、ムン・ジェイン左派政権にとって、大きな弱点が露呈する事件が起こりました。
これまでの進歩左派主義といえば、倫理道徳的にも私利私欲がなく清廉潔白で、つねに弱者のために尽力するイメージでした。

ですがここにきて、保守主義以上に私利私欲に溺れていたことが表沙汰になったのです。

ニュースでご存じの方も多いと思いますが、ムン・ジェイン大統領が法務部長官候補に指名した、大統領の最側近である曺国(チョ・グク)氏の娘の大学不正入学疑惑が明るみになり、強制捜査を受けました。
このことで今、韓国では若者たちを中心に憤怒がとまらない勢いです。

法相として憲法改正や共産化の責任者として立たせようとした立場ある人がこのようなことになったことで、ムン・ジェイン左派政権は苦しい局面を迎え、致命傷を負っています。

そんな中で北朝鮮は、強烈なミサイルを立て続けに実験しながら、経済封鎖に対するトランプ大統領への反発を露骨的に行っています。
実はトランプは、自身の大統領選再選のためにキム・ジョンウンのパフォーマンスの協力が必要なのです。
ですからアメリカと北朝鮮の緊張を高めては仲良くする、というショーを演じているのです。

韓国右派はといえば、お互いに分裂したままなので、ムン・ジェイン左派政権を制圧できずにいます。

そして今、韓国では来年4月の総選挙という「関ヶ原の戦い」が控えています。
そこで左派政権を制圧できるか・できないかは、日韓関係の未来の大きな分岐点になるでしょう。

日本からみたら、3年後の大統領選で左翼政権の政権交代が起きれば、貢献度としてはアメリカ以上に韓国の自由右派に力となる結果ですから、親日や自由右派政権が誕生する可能性が高いと思います。

アメリカからみたら、南北朝鮮の終わりなき対決は、アメリカの軍需産業拡大にとって重要な背景です。
そうみれば自由主義の統一であろうが、共産主義の統一であろうが、現状維持に越したことはありません。

ですが韓国の民族主義からみたら、「もうこれ以上、同じ民族同士の対立は嫌だ。この争いを終わらせられるなら、共産化で統一でもいい」という民族主義左派も増えています。

日本としても、南北朝鮮がこのまま喧嘩を続ければ、アメリカの軍需産業にお金を出し続けるしかなくなるでしょう。
ですから日本からみたら、朝鮮が親日政権となって南北統一することが、最も理想的な世界戦略なのです。

ですが逆に、共産化で南北統一した場合は、日本は孤立化し最悪の状態になるでしょう。
朝鮮半島は今、親日で統一するか、共産化で統一するか、親米で統一するか、独立した民族主義で統一するか、それともこのままずっと分断された状態でいるか。そのことを真剣に考える時を迎えているのです。

日本と親日状態で朝鮮統一をすることは、私は75億の人類にとって最も理想的な未来のために貢献する未来勢力になると私は思っています。

なぜならば、令和の幟(のぼり)が立っていることは、共産主義と自由主義の対立を終わらせ、イデオロギーの対決を終わらせ、国家民族の対立を終わらせ、アジアのルネッサンス、ネクスト・ルネッサンスを起こすときを知らせる象徴だと思うからです。
そして、人間が脳の奴隷を卒業し、世界の75億人が大自由な心、無所属・無所有の心の「75億人の聖人の時代」を拓く令和維新の始まりだと思うからです。

今ここ、ひとつだけがある世界で物事をみる、神の見えざる目で物事を認識する教育革命によって世界がワンワールド(One World)になることを願っているのです。

すべての事物、すべての存在は、本質は何ひとつ持っていません。
今この瞬間の観点によって、本質的特性や現実が決定されるだけなのです。

ですから「今ここ、目で見ちゃダメ」。
今「1」でみる完全観察システムですべてをみることです。

今ここ、新しい観点、新しい感情、新しい権力構造、新しい関係によって存在の特徴が決まります。
真実に実在するのは、「ひとつの動きだけがある」こと。それが、今ここで生きる令和状態、令和感覚なのです。

すべての存在、事物はどんな本質も持っておらず、ただ瞬間、瞬間の権力関係の産物に過ぎません。
「今、ここ」の目の前に生まれた、出来立てホヤホヤの宇宙に名前をつけ、意味づけや価値づけをしているのは、私たち一人ひとりなのです。

究極の主観と究極の客観が融合された令和状態は、すべての争いを一掃させる唯一無二の解決策です。
「今、ここ」完全観察システムであるnTechエヌテックが令和時代を創る日本の令和リーダーシップに貢献できたら幸いです。